PROCESS

精油が出来るまで

100%天然のアロマオイル(精油)の種類は豊富です。
花や枝葉から抽出される種類もあれば、柑橘類の果皮から搾油される種類もあります。
そのため各精油の香りや作用に特徴があるのはもちろんですが、価格も大きく異なります。

精油の価格差は主に植物原料と抽出量で決まります。
柑橘系は安価な種類が多いのは、果皮からたくさんのオイルが搾油できるためです。
一方、花系の精油は高価な種類が多い傾向にありますが、
ラベンダーとローズでは数倍の価格差があります。
ラベンダー1tから精油が抽出できるのは約3リットルで非常に少ないといえますが、
ローズ1tからはたった200g程度しか得られません。

貴重で高価なローズ。
繊細な花びらから精油が抽出されるまでの工程を見てみましょう。

ローズ精油の抽出

精油のなかでも高級なブルガリアンローズ。薔薇が開花する5月~6月に花摘みが行われます。
花が開くと香りも飛んでしまうため、花摘みは、まだ霧がかった早朝に行われます。

世界中で愛されるローズの香り。優雅なフローラルの香りに包まれます。早朝から始まった作業は、日中に入る前に速やかに終えます。

摘み取られたローズの花は、蒸留所に運搬されます。量や重さ、状態などが入念にチェックされます。精油の採油量は非常に少なく、高値で取引されます。

ここから精油の抽出作業に入ります。ローズの原料を蒸留釜に一斉に詰め込みます。

歴史を積み重ねた大型の蒸留釜。水蒸気蒸留は、今でも受け継がれている伝統的な方法です。

水蒸気蒸留法は、原料を釜に入れ、ゆっくりと時間をかけて蒸留します。釜でじっくり熱したローズの蒸気は冷却パイプを通り、液体化します。

この長い工程を経てやっと精油が抽出されました。 5,000kgの花から抽出される精油の量はたった1kg程度。数ある精油のなかでも、ローズは最も採油量が少ない種類のひとつです。

精油は限りある自然の恵みであり、さまざまな人々が関わることで生まれます。生産の流れを知ると、大切に使いたくなりますね。